2025/02/18 04:19



2/14(金)に益子の作家・石川智子さんの『フリル皿』が当店にて販売開始となりました。
あたたかい土の空気感がありつつも滑らかなその材質は「半磁器」と呼ばれています。
「陶器」「磁器」はお店やテレビなどでもよく目にしますが、「半磁器」は
まだ聞きなれないという方も多いのではないでしょうか。
今日はこの「半磁器」について、また「陶器」や「磁器」との関係についてのおはなしです。
ぜひうつわ選びの参考にしてください。


1.「陶器」「磁器」とは?

半磁器の説明のために、まずは陶器、磁器のことから。
「陶器」は地中から掘り出した「陶土(とうど)」という土に釉薬をかけて1000~1300℃で焼いたもの。
「やきもの」というときっと多くの方がイメージする、土・粘土のぽってりした印象のうつわは大体陶器。

粒子が荒く、目に見えない位の小さな穴が開いて空気を含んでいるため、水気を吸いやすいのが特徴。
そして、その中の空気の熱による急激な膨張を防ぐために「電子レンジNG」になっているものも多いです。
(しかし最近は「あたため程度の電子レンジOK」としているうつわや作家さんも多いです。
ぜひ商品のページを確認したり、お店の人に聞いてみてください。)

「土の空気感」というとちょっとマニアックに感じるかも知れませんが、
個性的で一期一会の表情が出たり、使うごとの色味・味わいの変化を楽しめるのも陶器の特徴です。
lighthouseでは益子焼のネギシ製陶さん・大塚菜緒子さん、笠間焼のITOGA POTTERYさんのうつわが
陶器となり、電子レンジの可否やお手入れの仕方はそれぞれ異なります。
商品ページをご覧下さいませ。

そして「磁器」とは「陶石(とうせき)」と呼ばれるガラス質を含む石を粉砕し粘土状にしたもの。
こちらは陶器よりも高温の1300~1400℃で焼き上げます。
質感は陶器と比べて硬く、ガラスのようにつるっとしているものが多いです。
そして粒子が細かく、水を吸わないので電子レンジはほぼ使えるほか
細かいお手入れなどもいらないのが便利なポイント。
素地は少し青みがかった透明感のある白ですが、最近はカラフルな釉薬をかけたものや
光沢のないマットな質感をもった器も人気です。

釉薬…
素焼きした器の表面にかけるガラス質のコーティングのこと。釉薬により器の色味や表情が決まります。
表現によって釉薬をかけず焼き上げた「無釉(むゆう)」の器・花器もあります。


2.「半磁器」とは

そして半磁器。半磁器とは簡単に言うと、陶器の原料である「土」と、磁器の原料の「石」をブレンドした
ものを使い作られたうつわのこと。
陶器の空気感をもちながら、磁器のような強度や、釉薬の発色が豊かだったりとお互いのいいところをもった焼きものです。
密度の濃い磁器と比べ、比較的軽い品物が多いのも特徴です。
電子レンジもあたため程度で問題なく使用できます。
lighthouseでは現在石川智子さんと、梶山友里さんが半磁器の器を制作されています。
それぞれ半磁器の特徴を有しながらも、うつわの質感や表現は大きく異なりますので
ぜひ見比べていただき、お気に入りが見つかると嬉しいです。

3.半磁器のお手入れは?

半磁器は基本的に細かいお手入れは不要ですが、品物によっては一番はじめに水に数時間~一晩漬けて
粒子の穴をふさぎ、しみ込みを防ぐと購入当初の印象が長持ちします。
洗ったあとは乾燥させ、乾いてからしまうことでカビの発生を防げます。
もしシミがついてしまって気になる場合は、塩や重曹で優しく磨いたり
食器用漂白剤を使うこともできます。
漂白剤を使用する場合は、素地に薬液が入り込むのを防ぐため数秒程度から試して
すすぎをしっかり行ってください。

4.まとめ

・半磁器は陶器と磁器の原料を合わせて作られているうつわ
・軽く、なめらかな質感のものが多い
・電子レンジは基本あたため程度使用OK(油分の強いものは避ける)
・品物によっては使い初めに水につけておく。
・洗い終わったらよく乾いてから食器棚へ。
・食器用漂白剤を使用する場合は数秒から試し、よくすすぐ。
春は草花も家の中もちょっと明るくさわやかになる時。
皆様の食卓も、かろやかで便利な半磁器のうつわを取り入れてみてはいかがでしょうか。