2026/03/08 20:32

このたびlighthouseに、陶芸家・岡洋美さんの作品が新しく仲間入りしました。

土もののさらっとした手ざわりと、ふんわりとした優しい色合い。

岡さんのうつわには、日々の疲れや張りつめた気分を、そっと解きほぐしてくれるような魅力があります。


◇岡洋美さんの工房をたずねて

そんなうつわたちが生まれる場所を知りたくて、神奈川県横浜市にある岡さんのご自宅兼工房にお邪魔してきました。


元和室の一室が工房になっており、たくさんの陶土や道具たちが出番を待っています。



窓から明るい光が差し込む作業テーブル。ここで一つひとつ、絵付けなどの作業が行われています。


◇「星もよう」を描く


今回お願いした『上絵星紋飯碗』の制作風景を、少しだけ見学させていただきました。
ろくろで形を作り、乾燥させた段階から、いよいよ絵付けが始まります。


まずは鉛筆で下書き。

 テンプレートなどは使わず、岡さんのフリーハンドで進んでいきます。



星の配置が決まったら、その上から釉薬を弾く塗料(写真紫色のもの)を塗り、



さらに、星の形に削り出していきます。 


そしてこの上から茶色の顔料を塗っていくと…
掘ったところにだけ色が染まり、星の輪郭が生まれました!
(違う技法で描かれる場合もあるそうです。)

すいすい線描ができていく姿がなんだか面白い。動画でお見せ出来ず残念です…
(Instagramの投稿では、動画で公開しています。)


この後は、素焼き→釉薬がけ→本焼き→上絵付け(星の色塗り)→上絵焼き
長い時間と手間をかけて、一つの器が形作られていきます。

工房の外にある大きな窯。

(このほかに室内にある2つの窯を使い分けて焼き上げるそうです。 使い込まれたその姿は、なんだか一生懸命働くロボットのようにも見えてきて、愛着が湧いてしまいます。)


◇大人もときめく、手仕事のぬくもり

そうして出来上がったのが、このお茶碗です。

ぽってりとした愛嬌がありつつも、器肌はさらさら。 驚くほど手に馴染み、持ちやすいです。


長い手間暇をかけて生み出されたものには、作り手からの手紙のような温かなメッセージが込められているよう。 制作を間近で拝見して、あらためて手仕事の魅力を強く感じました。



◇岡さんの「ものづくりのこころ」


「気がつけば使っている、そんなうつわを作りたいです。」
そうお話ししてくださった岡さん。

形の美しさや、普段づかいの大切さを常に考えられているそう。

うつわから感じる柔らかな雰囲気は、岡さんの優しく気さくなお人柄が宿っているかのようです。



岡さんは1974年生まれ。
東京で育ち、武蔵野美術大学短期大学部に入学されます。

そこでは「暮らしのなかの実用性」を一番丁寧に教えていただいた印象があるとのこと。
その経験が、その後の就職や、陶芸家としての在り方を決める一つの要素となっているそうです。


大学卒業後は、株式会社九つ井・自社窯陶郷に入社。
料亭で出されるうつわを制作するなど経験を積み、独立。

子育てに励みながら、陶芸家の道を歩まれます。


お子さんが小さいうちは、なかなか制作に没頭する時間が難しかったそうですが、地道にできる事を重ね、今では様々なタイプのうつわからご飯窯など、とても多くの道具を制作されています。


人生のさまざまな場所で、陶芸というひとつの道を続けてこられた岡さんだからこそ、使う人の日常に寄り添う「優しさ」と「使い勝手の良さ」が両立しているのだと感じました。

岡さんの穏やかできらめくような魅力が表れているうつわ達をぜひご覧いただければ嬉しいです。


そして岡さん、お忙しい中本当にありがとうございました!


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